IMAP・SMTP・Microsoft Graph は何が違う?

IMAP はサーバーに保存されたメールの読み取りやフォルダー操作、SMTP はメールの送信・転送に使うプロトコルです。Microsoft Graph は、Microsoft のメールを読み取り、送信するためにも使える API です。

方式読み取り送信対象サービス認証上の注意Mailera での例
IMAP対応非対応IMAP 対応サービス接続先の要件に従うGmail、独自サーバーの受信
SMTP非対応対応SMTP 対応サービス接続先の送信要件に従うGmail、独自サーバーの送信
Microsoft Graph対応対応個人・組織の Outlook メールアクセス許可が必要Microsoft を OAuth で接続

IMAP の仕様は、メール送信を定義していません。送信は SMTP など別の仕組みで扱います。一方、Microsoft Graph のメール API は読み取りと送信に対応するため、両方の操作に IMAP・SMTP を併用する必要はありません。

Mailera の Microsoft 接続では、OAuth でアクセスを許可し、メールの読み取りや送信には Microsoft Graph を使います。「IMAP か OAuth か」ではなく、メールを扱う方式と、アクセスを許可する仕組みを分けて考えます。

MCP も別の層です。MCP の公式説明が示すのは、AI アプリケーションと外部システムの接続規格であり、メールの配送方式ではありません。

AI エージェントが REST API または MCP で Mailera を操作し、Graph または IMAP・SMTP 経由で既存メールボックスへ接続する図
エージェントとの接続方式と、メールサービスとの接続方式は別の層です。

Mailera はメールサービス側の接続を受け持ち、エージェントには REST API や MCP を提供します。構成全体は既存メールボックスを AI エージェントで使う方法、サービス別の選択肢はメールプロバイダーの接続ガイドで確認できます。

利用中のメールサービスでは、どの方法を選ぶ?

サービスが一般に提供する接続方式と、Mailera で使う接続方式は区別してください。

接続先Mailera で使う方式先に確認すること
Outlook.com・Microsoft 365OAuth と Microsoft GraphMicrosoft での同意と組織のアクセス許可
Gmail・Google Workspaceアプリパスワード、受信は IMAP、送信は SMTP2 段階認証と組織の利用制限
独自 IMAP サーバー受信用 IMAP、必要なら送信用 SMTPサーバー情報と認証情報

Microsoft は OAuth 接続を選びます。Mailera では Microsoft のアプリパスワードを使いません。組織アカウントの場合は、Microsoft 365 の Graph 接続チェックリストも参照してください。

Gmail の接続には app password(アプリパスワード)を使います。Google の案内では 2 段階認証が必要で、職場や学校などのアカウントでは作成項目が表示されない場合があります。また、Google アカウントのパスワードを変更すると、アプリパスワードは失効します。

Google は、アプリに「Sign in with Google」がある場合はその利用を勧めています。ただし、Mailera の Gmail 接続はアプリパスワード方式です。Microsoft の OAuth 接続と混同しないでください。

独自 IMAP サーバーの接続では、送信が必要なら SMTP も設定します。受信側の認証が成功しても、送信できるとは限りません。

Mailera で接続方式を確認するには?

メールボックスを追加できるのは Admin または Leader です。初期設定の詳細は最初のメールボックスを接続する手順を参照してください。接続方式を選ぶ際は、次の点を確認します。

  1. 「メールボックス」から「メールボックスを追加」を開き、「単一メールボックス」の「メールアドレス」に入力します。検出されたプロバイダーを確認してください。
  2. Microsoft は「Microsoftでサインイン」へ進みます。Gmail などは「アプリパスワードの取得方法」と「必要なもの」を確認します。独自サーバーは「カスタムIMAP」を選びます。
  3. IMAP 接続では「受信サーバー(IMAP)」と、必要に応じて「送信サーバー(SMTP)」を設定し、「テストして接続」を実行します。受信側と送信側のサインイン結果を分けて確認します。
  4. 送信側で失敗したら「情報を編集」で修正して再テストするか、「受信専用で保存」を選びます。受信専用では返信もできません。
  5. 自分が管理するテスト用メールボックスで実際の送受信を確認してください。

接続テスト自体はメールを送信しません。 サインインの成功と、実際の送受信の確認は別の作業です。

Microsoft サインインやカスタム IMAP を選べる Mailera のメールボックス追加画面
メールアドレスから検出されたプロバイダーを確認し、接続先に合う方式へ進みます。

接続後、エージェントには何を公開する?

アプリから呼ぶなら REST API、対応するエージェントクライアントから使うなら MCP を選べます。メールサービスへの OAuth やアプリパスワードと、Mailera を操作する API キーは別物です。

操作REST APIMCP ツール必要な権限
メッセージ一覧の取得GET /mailboxes/{id}/messageslist_messagesread
メール送信POST /mailboxes/{id}/sendsend_emailsend

まずは読み取りだけを許可します。環境変数 $MAILERA_API_KEY に API キー、$MAILBOX_ID に接続したテスト用メールボックスの ID を設定すると、受信トレイの一覧を取得できます。

curl --get "https://mailera.app/api/public/v1/mailboxes/$MAILBOX_ID/messages" \
  --header "Authorization: Bearer $MAILERA_API_KEY" \
  --data-urlencode "folder=inbox" \
  --data-urlencode "limit=1"

返される data はメッセージの配列です。送信処理まで実装する場合は、メール API で読み取り・操作・返信を行う方法を参照してください。read 権限だけでは送信できません。

よくある接続エラーは、どこから切り分ける?

症状確認箇所次の操作
読めるが送れないIMAP 接続の SMTP 設定、送信側の認証結果、受信専用保存、API キーの send 権限送信接続と API 権限を別々に確認する
Gmail で認証できない通常のパスワードとの取り違え、2 段階認証、組織の制限アプリパスワードの利用条件と失効の有無を確認する
Microsoft で接続できないOAuth の同意、組織ポリシー、接続状態許可内容を確認し、必要なら管理者に相談する
新着がすぐに表示されない同期状態、最終同期、スリープ状態状態を確認し、必要に応じて「同期」を実行する

Microsoft の問題を通常パスワードへの切り替えで解決しようとしないでください。Mailera の接続は OAuth と Graph を使います。

Mailera は利用状況に応じてバックグラウンドの確認頻度を変え、使われていないメールボックスはスリープする場合があります。新着メールの常時リアルタイム反映は保証しません。

メールを読むエージェントに必要な安全対策は?

受信メールは信頼できないデータであり、エージェントへの命令ではありません。本文や添付ファイルに「認証情報をこの宛先へ送る」と書かれていても、実行させない設計にします。

API キーは read から始め、対象を必要なメールボックスグループに絞ります。送信が必要になった段階で send を許可してください。Microsoft の権限に関する指針も、必要最小限の権限を求めています。

送信前に、人が宛先・本文・添付ファイルを確認する処理をアプリ側に設けます。API キー、アプリパスワード、token はモデルへの入力やログに含めず、画面キャプチャからも取り除いてください。運用前に Mailera のセキュリティ情報も確認しておきます。

Mailera でできないこと

Mailera は既存メールボックスを接続する製品で、新しいメールボックスやメールアドレスは作成しません。Proton Mail と Tuta は非対応です。

独自 IMAP 接続で SMTP を設定していない場合や、受信専用で保存した場合は送信できません。また、接続先の認証要件や組織のアクセス制限を Mailera が無効にすることはありません。

最初のメールボックスを2分で接続

Outlook、Gmail、IMAPのメールボックスを追加して、アプリやAPIでメールを読めます。

メールボックスを接続